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特別支援学校の卒業後 進路先の状況や特徴について

障がいのあるお子さんがいらっしゃる保護者の方は、「高校や特別支援学校高等部(※以下「特別支援学校」と表記)を卒業した後にどのような進路に進めるのか」という不安を持たれている方が多いと聞きます。高校や特別支援学校を卒業した後には、進学や就職のほかに教育訓練機関や社会福祉施設等に通・入所するという選択もあります。

特別支援学校の卒業後の現状とは

障がいのある方が高校、特別支援学校を卒業した後の状況やフリースクール利用後の状況などについて網羅的に調査したものは残念ながら存在しないのが現状です。 但し、文部科学省では、特別支援学校を卒業した方の「卒業後の状況調査」(統計名:学校基本調査)を発表しています。令和2年(2020年)3月の特別支援学校卒業後の進路状況を表にまとめました。
特別支援学校の卒業後の現状とは
 
特別支援学校の卒業後の現状とは

出典:「学校基本統計」(文部科学省)

※進学者は、大学(学部)、短期大学(本科)、大学・短期大学の通信教育部及び放送大学(全科履修生)、大学・短期大学(別科)、高等学校(専攻科)及び特別支援学校高等部(専攻科)へ進学した者の計。 ※教育訓練機関等は、専修学校(専門課程)進学者、専修学校(一般課程)等入学者及び公共職業能力開発施設等入学者の計。 ※社会福祉施設等入所・通所者は、児童福祉施設、障害者支援施設等及び医療機関の計。 ※その他は、家事手伝いをしている者、外国の学校に入学した者、進路が未定であることが明らかな者及び不詳・死亡の者等の計。

学校基本調査 令和2年度 初等中等教育機関・専修学校・各種学校《報告書掲載集計》 卒業後の状況調査 特別支援学校(高等部) | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口 (e-stat.go.jp) 学校教育法施行令第 22 条の 3 に規定する障害の程度と判定方法

特別支援学校卒業後の進路先について

「卒業後の状況調査」に記載されているように、「就職者」「進学者」「教育訓練機関等入学」「社会福祉施設等入所・通所」とありますが、その中身がどういったものなのかについて詳しく紹介します。

就職者

令和2年(2020年)3月の特別支援学校卒業後の進路状況において、3割程度の方が就職されております。その就職先に関する情報についてですが、 「職業別就職者数」「産業別就職者数」が学校基本統計で公開されており、それを集計したものが以下図となります。

※就職者:「自営業主等」及び「無期雇用労働者」 ,「有期雇用労働者のうち雇用契約期間が一年以上、かつフルタイム勤務相当の者」

【職業別就職者数】 職業別就職者数 「職業別就職者数」は、上記図のように「生産工程従事者」「運搬・清掃等従事者」「サービス職業従事者」が就職先の職業として多い結果となっております。 【産業別就職者数】 産業別就職者数 「産業別就職者数」は、上記図のように「製造業」「卸売業,小売業」「医療,福祉」が就職先の産業として多い結果となっております。 企業に就職するには、自分で求人に応募するほかにハローワークや障がい者向けの就職エージェントを利用する方法があります。就職活動の際には、自分の障がい特性や心身のコンディションに合う求人を検討することが大切です。 また、企業の障がい者雇用の求人には、障がいに配慮した勤務時間や仕事内容があるので働きやすいというメリットがあります。 一方で、障がい者雇用の求人は、「非正規雇用」や「時短労働が多い」といった要因によって一般枠より給料が低くなってしまっているのが現状です。

進学

特別支援学校を卒業後に進学する割合は、全体の2%程度と決して高くはありません。主な進学先は、大学や短期大学、特別支援学校高等部専攻科、高等学校専攻科です。 このほか、専修学校や公共職業能力開発施設などの「教育訓練機関(※)等」への進路も加えた場合、進学率は3.2%になります。特別支援学校卒業後の進学率は低い現状ですが、少子化が進む昨今では大学や短大などの定員割れも生じ始めました。

※教育訓練機関等は、専修学校(専門課程)進学者、専修学校(一般課程)等入学者及び公共職業能力開発施設等

今後は、進学を希望する特別支援学校卒業者が大学などへの進学率が上がることも期待されています。

社会福祉施設などへ入所・通所

特別支援学校の卒業後に6割程度を占める進路は、社会福祉施設等への入所や通所です。 その社会福祉施設に関する大まかな内訳について、学校基本統計で公開されており、その情報を集計したものが以下図となります。
社会福祉施設に関する大まかな内訳
このように、半数以上の方が就労系支援事業所(就労継続支援A型・B型、就労移行支援事業所)が進路先となっております。 各就労系支援事業所については、以下から詳しく紹介します。

就労継続支援A型の概要

就労継続支援A型は、一般的な雇用で就労するのが困難な障がい者に対して訓練や就労などの機会を提供する事業所です。雇用契約を結んで利用するため、利用者には最低賃金が保証されます。 就労継続支援A型事業所には原則として利用期限は設けられていません。雇用契約を締結していることで利用者には賃金が支払われるのも特徴で、平成30年(2018年)の平均時給は846円、1カ月の平均給与は7万6,887円でした。 ※参考:平成30年度工賃(賃金)の実績について|厚生労働省 利用対象者は18~65歳未満の障がい者です。具体的には、「企業等に就労することが困難な者で、継続的に就労することが困難な方」が対象になります。 障がいの種別や自治体ごとの扱いにより、18歳未満でも利用できる可能性もあるので、住んでいる自治体に問い合わせて詳しく確認すると良いでしょう。 就労継続支援A型には、就労訓練を受けながら長期間利用できるメリットがあります。一方で、訓練のための仕事内容は事業所ごとに違いがあるため、本人の能力や障がい特性にマッチする仕事や事業所を見つけることが大切です。

就労継続支援B型の概要

就労継続支援B型は、一般企業や雇用契約を交わして就労することが困難な障がい者に就労の機会を提供する事業所です。就労継続支援A型と同様に利用期限がなく本人が希望すれば長期に渡って利用できます。 雇用契約を結ばない点がA型とは異なり、非雇用型とも言われ最低賃金は保証されません。利用者の障がい特性に配慮した仕事内容や作業時間を設定して、無理のない就労訓練などを提供します。 集中できなければ仕事を無理に続ける必要がなく、スタッフが個々に合った支援をしてくれます。就労支援を提供している事業所のなかでは利用者がもっとも多いのも特徴です。 平成30年(2018年)の平均時給は214円、1カ月の平均給与は1万6,118円でした。利用対象者は企業等に就労することが困難な者で、 継続的に就労することが困難な方です。 ※参考:平成30年度工賃(賃金)の実績について|厚生労働省 障がいの特性に合わせた支援を受けながら就労できるメリットがありますが、雇用契約がないために賃金は低い傾向にあります。

就労移行支援事業所の概要

就労移行支援事業所は、企業への就職を目的に訓練を提供する通所型の施設です。医療などの福祉施設と併用することもできます。就労移行支援事業所は全国に3,000以上あります。 利用期限は2年と決められているのが特徴で、24ヶ月を超えて利用するには、市区町村に申請し、審査を経て必要性が認められた場合に限ります。 就労移行支援事業所では、就職するための知識や技術が習得できるような支援が受けられます。利用できるのは、65歳未満の障がい者が一般企業に就職したいと希望する場合です。 2年以内に就職したい、体調に不安があるので短時間勤務から始めたいなど、一人ひとりの希望は異なるのが実情です。就労移行支援事業所では、個別の相談内容を踏まえて就職に向けての準備を進めます。 さまざまな企業での就労体験もできるので、実際に働いて自分に向いている仕事を知ることも可能です。合同面接会やハローワークなどで就職活動を行う際にはサポートが受けられます。 事業所によって活動や支援内容にはある程度の違いはありますが、就職に関する相談・支援、一般就労に近い体験ができる施設として活用すると良いでしょう。

自立に向けた支援が必要

このように特別支援学校の卒業後に6割程度を占める進路先である社会福祉施設は、様々な事業所(障害福祉サービス)が存在します。 様々な事業所(障害福祉サービス)が存在するとは言いながら、主に「就労」を前提とするものが多い状態であり、「就労」を将来は考えつつも、まだそこまでの準備が整っていない方が望むような社会福祉施設が少なかったという課題が存在しました。 そのような課題から、障害福祉サービスである自立訓練(生活訓練)事業所において「就労に向けたステップ期間として自立に向けた様々な知識や経験を積んでいただく学びの場」を提供するような取り組みも始まっております。ココルポートカレッジ(Cocorport College)は、その取り組みを行っている自立訓練(生活訓練)事業所です。

特別支援学校卒業後の選択肢の一つに

ココルポートカレッジでは、「生活スキル」を中心に習得する学びの場を設けています。生活面の基礎を学びながら就労に向けたステップ期間としてサポートする事業所です。 ココルポートカレッジの自立訓練サービスでは、一人ひとりに対して個別支援を実施しています。多様な進路をご提案し、そのなかから自分で決定することを尊重していくのがサービスの特徴です。 集合プログラムには450種類以上が用意されているので、希望に合ったものを選んで無理なく参加できるでしょう。特別支援学校の卒業後に不安を感じているなら、ぜひココルポートカレッジをご利用ください。 Collegeの特徴
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